支援

特定技能人材の支援
生活オリエンテーション 前編

今回の記事は、特定技能人材の必須支援である「生活オリエンテーション」に関して記載をしています。生活オリエンテーションとは、具体的にどのようなことを行えば良いのか記載をしています。

生活オリエンテーションに関しては、内容が長いので前編と後編に分けさせていただいております。それでは早速見ていきましょう!

生活オリエンテーションとは?

生活オリエンテーションとは、特定技能外国人が、職業生活日常生活社会生活を安定的かつ円滑に行えるようにするための説明をさします。

実施タイミング 入国した後又は在留資格の変更許可を受けた後
実施方法 テレビ電話やDVD 等の動画視聴など
実施言語 1号特定技能外国人が十分に理解することができる言語
対応時間(目安) 1号特定技能外国人が十分に理解できるまで行う(少なくとも8時間以上行うこと)

提供すべき情報は、大きく下記6つとなります。

  1. 生活一般に関する事項
    (銀行, 病院などの使い方, 交通ルール, 公共交通機関, ゴミ出しなどのマナーなど)
  2. 又は地方公共団体機関に対する届出その他手続
    (住民票や社会保障の手続き等になります。)
  3. 相談や苦情の申出等の対応担当者や対応機関の連絡先
    (支援者の連絡先, ハローワークなど)
  4. 受けることができる医療機関
    (母国語で対応可能な医療機関などの紹介)
  5. 防災, 防犯, 急病, その他緊急時における対応
  6. 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他当該外国人の法的保護に必要な事項

それぞれ詳細を確認しましょう。

支援導入のご相談

生活一般に関する事項

ここでは、銀行, 病院の使い方, 交通ルール, 公共交通機関, ゴミ出しなどのマナーなど特定技能人材が日常生活で困らないように生活一般に関することを説明します。生活一般に関する情報として提供すべきことは全部で8つあります。

①金融機関の利用方法

  • 金融機関における入出金・振込等の方法, 利用可能な時間, ATMの使い方, 手数料等
  • 出国する場合など自己名義の銀行口座が不要となるときは、口座を閉鎖する手続を行うこと。ただし、将来再び入国するときのために口座を継続して利用する希望がある場合には、出国前に銀行に相談すること

Q:なぜ金融機関の利用方法を説明する必要がありますか?
A:特定技能人材では初めて社会にで働く方や母国の地方都市に住まれていたりして銀行やATMを利用したことがないかたも少なくありません。実際私も海外在住の経験がありますが、海外のATMを初めて利用する際は結構不安だったりします。またコンビニのATMでお金をおろす場合手数料が発生する等説明してあげていれば親切だと思います。

Q:外国人が帰国する際、銀行口座を解約する必要はありますか?
A:外国人は日本から帰国する前に、銀行口座の解約手続きを行う必要があります。解約せずに放置すると、その口座は休眠口座になり、口座を利用できなくなる可能性があります。
帰国前に必ず各銀行の窓口に通帳・キャッシュカード・在留カードやパスポートなどの身分証明書・印鑑を持参して、口座の解約手続きを行ってください。

②医療機関の利用方法

  • 利用可能な医療機関(症状別)、医療機関での受診方法、保険証を持参すること等
  • アレルギー・宗教上の理由により治療に制限がある場合は、医療機関にその旨を説明

病院に行く前に確認した方が良いサイト 多言語医療問診票

Q:なぜ医療機関の利用方法を説明する必要がありますか?
A:保険証を持参する目的を知らない方もいらっしゃるためです。日本と違い、保険制度が整備されていない国もあります。保険証を持たずに病院にかかれば100%自己負担になる可能性もあるので、事前に説明をしてあげましょう。また、お住まいの地域でどこの病院で何の病気を見てもらえるのかなど説明してあげることで安心感が増すかと思います。

③交通ルール

  • 歩行者は右側通行、車両は左側通行・歩行者優先であること
  • 自転車を運転する場合は、防犯登録や自転車損害賠償責任保険への加入
  • 自動車、バイク等を運転する場合は運転免許が必要であること(必要に応じて、運転免許の取得方法・自動車保険の任意保険への加入等)

Q:なぜ交通ルールを説明する必要がありますか?
A:東南アジアや東アジアの国によっては、信号を守らなかったり、車優先、無免許でバイクに乗車していたりします。事故に巻き込まれないためにも、人材を守るためにも説明を行いましょう。

④交通機関の利用方法

  • 就労・生活する地域の公共交通機関(通勤に最適な公共交通機関)及びその利用方法
  • 勤務先までの経路及び所要時間
  • 通勤定期又は切符の購入・利用方法
  • ICカードの購入・利用方法等

Q:なぜ交通機関の利用方法を説明する必要がありますか?
A:日本と異なる利用方法がある場合があるからです。バスや電車など基本的な公共交通機関の乗り方やICOCA利用した定期の買い方など説明をしてあげましょう。

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⑤生活ルール・マナー

  • 就労・生活する地域におけるゴミの廃棄方法等(分別・出し方,収集日,粗大 ゴミの捨て方等)→各自治体のホームページで方法やカレンダーなどが公開されている。
  • 夜中に大声で騒いだり騒音を出したりするなど,近隣住民の迷惑になる行為は控えること
  • 空き地や畑に無断で入ることは避けること
  • 喫煙には一定の制限があること(喫煙禁煙場所等)

Q:なぜ生活ルール・マナーを説明する必要がありますか?
A:ご近所トラブルを避け、地域の人々に受け入れてもらうためです。ゴミ出しのルールを間違えたり、大騒ぎをしたりして、ご近所の方々からもクレームが上がったり関係が悪くなったりする恐れがあります。特に、日本のゴミ出しは海外に比べて複雑です。可燃ゴミ不燃ゴミそれぞれ出す曜日が異なっていたり、多岐にわたります。日本に来てよかった、日本に来てくれてありがとうと良い関係性を築き上げるためにも丁寧に説明を行いましょう。

⑥生活必需品等の購入方法等

就労・生活する地域のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、家電量販店等の所在地等などの説明を行います。

信頼関係を構築する良いきっかけにもなりますので、一度は一緒に行くことをお勧めいたします。以前海外で留学していたとき、現地の学生さんが一緒にスーパーに着いていってくれたことは今だに覚えていたりします。不安な時の親切ほど暖かく感じるものはないですね。是非一度しかないきっかけを活用してください。

⑦気象情報や災害情報の入手方法

気象情報・災害情報に関するホームページ、アプリ、出身国別の外国人向けのコミュニティサイト等の説明を行いましょう。特に近年の日本は地震や豪雨などの災害が起こっていますので、安全を確保してもらうために必ず説明を行いましょう。また居住地から近い災害時の避難場所も確認をしておきましょう。

活用した方が良いサイトやアプリ

⑧違法となる行為の例

  • 原則として、銃砲刀剣類の所持が禁止されていること
  • 大麻,覚醒剤等違法薬物の所持等は犯罪であること
  • 在留カードの不携帯は犯罪であること
  • 在留カード,健康保険証等を貸し借りすることは禁止されていること
  • 自己名義の銀行口座・預貯金通帳・キャッシュカード・携帯電話を他人に譲渡することは犯罪であること
  • ATMで他人名義の口座から無断で現金を引き出すことは犯罪であること
  • 他人になりすまして、配達伝票に署名したり,他人の宅配便を受領することは犯罪であること
  • 放置されている他人の自転車等を使用することは犯罪であること 等

特に在留カードの不携帯や在留カード,健康保険証等の貸し借りに関してはしっかりと行いましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

外国で新生活を迎えるというのは、とっても不安なものです。日本人でも上京する時、不安と期待が混ざった複雑な感情をもっていた方も多いのではないでしょうか。

オリエンテーションは信頼関係を構築するとても良いキッカケになり得ます。手厚い支援を心がけましょう。弊社ではよりスピーディーに、手厚くしっかり支援させていただき、人材との信頼関係構築のお手伝いをいたします!いつでもご相談くださいませ!

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